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前回までで、オルタードスケールのサウンドの作り方について説明しました。
つまり
スケールで上がったり下がったりではなく、分散和音として使いいろいろなサウンドを作り出す
ということでした。
今回はその応用編で60年代中期あたりに発見されたアイディアを説明します。
人呼んで
”ヘキサトニック”
ヘキサトニックというのは、トライアドの二つの組み合わせからなるもので6音のスケールになります。
さて、Ⅱ-Ⅴ における G7でオルタードを使うという内容で説明してきました。
このG7 オルタードスケールの中にもヘキサトニックがあります。
(クリックして拡大してください)
つまりGオルタードスケールの中にはDbとEbという二つのトライアドがあります。
これの2つのトライアドを交互に吹くことで、DbとEbのサウンドをちりばめることができます。
このヘキサトニックスケールはパターンとして使われることが多く、練習もフレーズのパターンみたいな感じでするのがいいと思います。
(例)
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では、実際にツーファイブで使ってみましょう。
ちょっと変わった感じのサウンドになりますね。
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さらに応用してみましょう。 (上級編?)
Dm7を勝手にマイナーメジャーセブンに変えてみましょう。
つまり、Dmmaj7にしてDメロディックマイナーにします。 このスケールは、G7でLydianDominantと同じスケールですから、大して変わったことをしてるわけではありません。
つまり、元々ツーファイブはファイブ一発に四度はなれたマイナーを乗せてると考えられるので、Ⅴ7一発と考えても問題ありません。なのでG7 2小節のうち前半部分をG7 Lydian7th 後半をG7 Altとモードチェンジすることが可能です。
ここで、G7 Lydian7th(D Melodic Monor)にもG、Aのヘキサトニックが存在します。
ということで、最初の1小節ではGとAのヘキサトニック、後の1小節ではDbとEbのヘキサトニックをつかいパターンを組みます、、。
初期のハービーのような複雑なサウンドになってきました。
このように、ツーファイブでもいろいろなサウンドを表現することが可能です。
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さて、ここまで7thコードでのディミニッシュスケールの基本的な使い方を説明しました。
このサイトはツーファイブでのスケールなどの基本的なアイディアについて説明することを主眼としていますが、HWディミニッシュスケール(コンディミ)の実践的な使い方をいくつか説明したいと思います。
1.Scrapple From The Apple
この曲の最初はコンサートでGm7 C7 が続きます。
このように同じツーファイブが続くような曲では基本的にマイナー部分は無視しても構いません。 つまり、C7一発、、ディミニッシュのパターン吹き放題、、、です。
2.ペダル的な動き
Moment's Notice の最後の部分や、This I Dig Of Youのようにベースが同じ音をキープして上の和音がダイアトニックで平行移動するような場合、、、これをサスコードとしてDimをつかいます。実際、コルトレーンのソロの中にも出てきます。 この例ではEbペダル、、つまりEb7sus一発的な感じでとらえてディミニッシュをしつこくつかっています。
3.カデンツにて、、、、。
バラードの最後やチュニジアの最後で、曲がとまってだらだら吹くあれです。
基本的には自分でコードを決めて自由に吹けばいいのですが、50年後半くらいにはこの
カデンツの部分でディミニッシュを吹く、、、ということがよくありました。
というのがよくあるつかい方です?
いかがでしょう???
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今日は7thコードでディミニッシュスケールをつかってみよう、、、というテーマです。
テンションいっぱいのかっこいいサウンドになります。
日本ではなぜだかコンビネーションディミニッシュと呼ばれていますが、外国では通じません、、、、。
ディミニッシュコードで使うディミニッシュスケールを7thコードで無理やりつかってみよう、、、、、、でも、無理やり使うにあたってちょっと形を変えなければならないわけです。
そのちょっと形をかえたものを日本では”コンビネーションディミニッシュ”略して(略すなよ、、、、、、)”コンディミ”といっているようです。
PS:ジャズコンセプションの著書で有名なJim Snidero氏に”コンディミ”っていう?ってきいたらアメリカではそんなこと一切言わない、、と一笑に付されました。
さて、どのように変えなければいけないか説明したいと思います。
その前にディミニッシュスケールとは、、、。
「Dim1.jpg」をダウンロード (クリックして拡大してください)
ディミニッシュスケールは全音ー半音ー全音ー半音からなる対称的なスケールです。
上の例のようにCdimのコードではルートであるCから全音ー半音の並びになっています。
つまり、、、CdimでつかうCディミニッシュスケールはEb、F#、Aでもつかえる、、、というか同じスケールをどこからはじめるかだけの問題になります。
「Dim.jpg」をダウンロード さらに言えば、ひとつ練習すればほかの3つも練習したことになるわけです。
同様にあとの2種類も練習すれば、各4づつですから12キーで練習したことになります。
「Dim3.jpg」をダウンロード 3つ練習しただけで、、12キーなお得なスケールです。練習する気がわきませんか??
以上がディミニッシュコードで使うディミニッシュスケールです。
では、これをどのように7thコードで使うのか???
いろいろな考え方がありますが、、、たとえばG7では、、
1.FのDimスケールをつかう。(あるいはAbのDimスケール)
これはやめましょう、、、、、。 失敗の素、混乱の素です。
正解は、、、、
2.G7から半音全音のスケールをつかう。
ディミニッシュスケールはルートから全音ー半音でした。
G7コードではルートつまりGから半音ー全音のスケールを使います。
つまり、、、
「Dim4.jpg」をダウンロード Ddim,Fdim,Abdim,Bdimと同じスケールを吹くことになります。 つまりDimスケールを練習した人ならすでに知っているわけです、、。
しかしながら繰り返し言います。
7thコードでこのスケール吹くときは
”え~~と、半音上のDimスケールだからえ~~~っと、、、、、、”
などど考えないでださい。
こんなこと考えてたらもう次のコードに行ってるでしょう、、、、、、。
正しい考え方は
セブンスコードで吹くときは半ー全ー半ー全
セブンスコードで吹くときは半ー全ー半ー全
セブンスコードで吹くときは半ー全ー半ー全
セブンスコードで吹くときは半ー全ー半ー全
です。
ちなみにディミニッシュのときは全ー半ー全ー半
です。
このようにディミニッシュスケールは形が対称系なので非常にややこしいのです、、。
アメリカでは
Dimコード のときは全音(whole Step)ー半音(Half Step)の動きからホールハーフDimスケールと呼んでいます。
7thコードのときは半音(Half Step)ー(whole Step)からハーフホールDimスケールと呼んでいます。
このハーフホールのことを日本ではコンディミと呼んでいるわけです、、。
このハーフホールはテンションとして
b9,#9,#11,13
を含んでいる海鮮丼のようなお得なスケールです。
これをつかうといろんなテンションが一気になってお得なわけです。
さてくどいようですがもう一度、、、
7thスケールではハーフホール(半音→全音)Dimスケール
間違っても
なんとかDimスケールをえーっと全音下?半音上??????
などと考えないでください。
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さて、ここまででは大きく二つに分けて
1.分散和音
2.スケール
による考え方を説明しました。
本日は第3の刺客、、、、、
アプローチノート
です。
では、アプローチノートとはなんでしょう??
コードトーンに全音または半音で解決しに向かっている音のことです。
つまり
コードトーンを吹く前には全音や半音でいろいろなんか動けるよ、、、、、
って感じです。
これをVにおいて、G7で説明したいと思います。
アプローチノートはパターン化されています。
まずは基本形、、、、。
1.下からの半音のアプローチです
2.上からの全音のアプローチ
3.上からの半音階でのアプローチ
この場合は3度のときのみ#11が現れるので、ミクソリディアンのサウンドがほしい場合はここはあきらめるしかありません。
あとはこれの組み合わせになります、
3度のアプローチは#11が使われるので、Sus4などミクソリディアンの時にはつかえないので省略、、になります。
以上が、アプローチノートのすべてとなります。 これは分散和音やスケールと同様、このままの形でそのまま用いられます。 つまり、覚える、、、、と。 できれば12キーで、、、、、。
使い方は2つ、、、、
1.Gのコード上で。
例では5のパターンを使いました。
2.Gに向かっていく直前で。
このように次がG7なら、G7の直前でつまりDm7上でもG7に解決することを前提でつかうことができます。
50年代ビーバップ、ハードバップからジョーロバーノやジョーヘンなどの現代のモダンなスタイルまでアプローチノートは
1.スムースなラインをつくる
2.スケール外の音を取り込む
という意味で非常に重要です。 是非マスターしてください。
以下、チャーリーパーカーなど初期のビーバッププレーヤーのアプローチノート使用例です。
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ここまででも、結構な量の練習がありますが、注意事項を述べておきたいと思います。
それは、、、
音符を見ずに頭でイメージしながら練習する
よくありがちなのは、譜面に書かれた全パターンを見ながら練習する、、、。
もちろんテクニックの練習にはなりますが、アドリブの練習には効果的ではありません。
なぜなら、
譜面を見て練習するといつまでたっても見ないと吹けないからです、、、、、。
アドリブへの近道とは、、
書かれているコードフィギュア(たとえばCmaj7,C7b5など)に反応する練習
が必要なのです。
そのためには、ゆっくりでも何も見ずに練習することが必要です。
つまり必要なのは全パターンかかれた、真っ黒な譜面ではなく
この譜面のみ、、、、、。
たとえば、今日はC7#5の第2展開系、、、を練習しようと決めたらまず
G#,Bb,C,Eという音の並びだけ確認します。 あとは、メトロノームをつかって
ゆっくりいろいろ吹いていくだけです。
たとえば、
半音であがる、 あるいは、四度 あるいは、短三度→半音下がる→短三度、
など、イメージしながら吹くことが重要です。
そうすることで
頭の中で見えるようになってきますし
間違えたときに耳で判断できる→イヤートレーニング
にもなります。
繰り返しますが、見ながら早く吹くこととと、コードに対して反応することは別物なのです。
次に、ひととおりコードを吹けるようなってきたらリアルブックなどの
実際のコード進行をみて練習してみましょう。
左の例は、ブルースのバリエーションです。 このように実際の曲をつかって
コードを吹くことに慣れ親しんでいきましょう。
音符を書く必要はありません、、、
ゆっくりから、イメージしながら、考えながら、練習しましょう。
ピアノはさあ、見えるからいいけどさあ、管楽器は指とか鍵盤とかみえないからさあ、、
だから、書かずにイメージすることが必要なのです、、、。
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